新たなスタートをされる
門出の船をイメージしたお庭
今回作庭させて頂いたのは、
以前からお世話になっいるお施主さんの新工場の敷地前のお庭です。
依頼内容は特にご指定はなかったのですが、
お庭が3㎡程の狭小空間、かつ三角地ということで、設計に制限があり、通常だと難しい案件でした。
ただ、新工場の設立と初めてのお孫さんもお生まれになったとお聞きしてまして、何か縁起の良い物をとコンセプトを考えておりましたので、三角地という制限があったことで、却って船に見立てる発想に繋がり、これから色んなスタートをされる船出のように、門出の船をイメージした物をご提案させてもらいました。
After①
門出の船をイメージしたお庭は、狭小空間でありながら見ごたえのある場所となりました。
After②
槇の中でも成長が遅いため、葉が短く上品なラカン槇、船という事で京銘石の貴船石(きぶねいし)、縁起物の万年青を植えました。
庭ができるまで
①植栽に適した土に改良
伐根と土壌改良です。工事期が6月末と植栽には厳しかった為、水持ちの良い土に改良します。
②立水栓工事と樹木の植栽
立水栓工事の後、樹木の植栽です。選りすぐりの材料を厳選します。
③槇の古葉の葉むしり剪定
槇の古葉を指でむしっていく葉むしりです。
葉むしりは京都ならではの手入れ方法かもしれません。
古葉や不要な枝を人の手で剪定する為、手間が掛かりますが細かい箇所まで選別できる為、枝葉の健康が良くなり、槇本来の美しい樹形を際立たせます。
④地こしらえ
枝先を整えてから、地こしらえです。槇やこれから植栽する樹木の生育に適した環境に整えます。
⑤石の位置決めと据え付け
石を位置決めし、据え付けていきます。この石は貴船石といって、京都加茂川の上流貴船付近で取れる川石
で、庭石の最高級品と言われております。狭小空間ながら厳選素材で贅沢な空間となっていきます。
⑥防草シート敷き
わずかな砂利の部分にも草が生えないよう防草シートを敷いていきます。
小さなスペースですので、あまり影響無いようにありますが、この一手間を入れることで、長期に渡ってメンテナンスを減らし、美しい状態を維持することができます。
⑦枯れない苔の環境づくり
屋根の下は苔が枯れないよう、ゴロタ石を敷設しています。
こういった細かい積み重ねの施しが、樹木が適応する環境をつくります。
⑧お庭の完成
門出の船をイメージした庭は狭小空間でありますが、見ごたえのある場所となりました。
風をあびる帆をイメージしたラカン槇、縁起物の万年青と貴船石が良いアクセントになっています。